大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

東京高等裁判所 昭和51年(ネ)1754号 判決

控訴人 甲野一郎

右訴訟代理人弁護士 松原徳満

同 小海正勝

被控訴人 乙山次郎

右訴訟代理人弁護士 真子伝次

同 重松彰一

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人代理人は、「原判決を取消す。控訴人が被控訴人の子であることを認知する。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人代理人は、控訴棄却の判決を求めた。

《証拠関係省略》

理由

当裁判所は、当審における新たな証拠調の結果を参酌しても、なお控訴人の本訴請求を失当として棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり補足、訂正するほか、原判決理由説示と同一であるから、それを引用する。

一  原判決一〇枚目表七行目から八行目にかけて、同一〇行目及び同裏九行目から一〇行目にかけて「六〇才」とあるのを「五九才」と、同一〇枚目裏三行目から四行目にかけて「四、五才」とあるのを「三才」と、同七行目に「提出し」とあるのを「申立て」と、同一一枚目表三行目に「甲第四、六号証」とあるのを「乙第四、五号証」と、同一二枚目裏二行目に「証人乙山花子(第一回)」とあるのを「証人乙山花子(第二回)」と、同二行目から三行目にかけて「真正に成立したと認められる乙第一一号証の一ないし一三」とあるのを「昭和五一年四月一日丙村太郎が撮影した雪子の実家の写真であると認められる乙第二号証の一ないし一二及び丙村太郎が作成したものと認められる同号証の一三」と、同一三枚目表五行目に「六〇才」とあるのを「六〇才に近く」と、同裏九行目に「二階建」とあるのを「三階建」と、同一四枚目裏九行目から一〇行目にかけて「証人丁川春子及び雪子の各証言」とあるのを「検甲第一号証について証人丁川春子の証言」と各訂正し、同一〇行目及び同一五枚目表一一行目の「右」の次の「各」を削除する。

二  原判決一六枚目表二行目から同一七枚目表三行目までを次のとおり改める。

鑑定人松永英の鑑定の結果によれば、血液、唾液、ミミアカ等の遺伝形質の検査結果からは、被控訴人が控訴人及び月子の父らしいことが示唆されたが、足紋、顔、手指等の形態学的観察からは、被控訴人は控訴人及び月子の父らしくないことが示唆され、総合していえば、被控訴人が控訴人の父である可能性は認められるが、その父らしさの程度はそれ程高くなく、ただ父らしいといえる程度であり、月子については被控訴人が父である可能性も認められるが、特に父らしいともいえないし、また特に父らしくないともいえない程度であるというのである。

また弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる甲第一三号証(日本大学医学部法医学教室上野佐作成の鑑定書)にも、血液型では控訴人が被控訴人の子である可能性があるが、人類学的検査では被控訴人が父であることを決定しえないと記載されている。

しかし、当審鑑定人上野正吉の鑑定の結果によれば、血液型検査からも、血液型以外の人類学的検査特に顔貌諸特徴の点からも、控訴人と被控訴人との間の親子関係が否定される結果が生じ、結局、控訴人と被控訴人との間には親子関係は存在しないものと認められるというのである。

以上のとおりであるのみならず、本件においては、前記のとおり、母雪子が控訴人を懐胎した時期に被控訴人と情交関係にあった事実さえ認めがたいのである。

以上の点を考慮すると、控訴人と被控訴人との間に父子関係があるとは到底認めることができない。

よって、控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法第九五条、第八九条を適用し、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 枡田文郎 裁判官 山田忠治 古館清吾)

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com