大判例

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松山地方裁判所今治支部 昭和29年(ヨ)20号 決定

申請人 浜田穰之進外四九名

被申請人 全日本港湾労働組合四国地方菊間支部

主文

本案判決確定に至るまで被申請人は申請人等の各工場内にある瓦製品の搬出、輸送、並に同工場内への瓦製造用粘土の搬入の妨害をしてはならない。

申請人の委任する松山地方裁判所所属執行吏は右命令の趣旨を公示するため適当な方法をとらなければならない。

(注、無保証)

(裁判官 瓦谷末雄)

(別紙省略)

〔参考資料〕

仮処分命令申請書

申請人 浜田穰之進外四九名

被申請人 全日本港湾労働組合四国地方菊間支部

妨害排除仮処分申請事件

申請の趣旨

一、被申請人は申請人等の工場内にある瓦製品の搬出並に工場内への瓦製造用粘土の搬入の妨害及之が輸送の貨物自動車自動三輪車馬車等一切の諸車並に人夫の通行を妨害してはならない。

一、申請人は申請人の委任する松山地方裁判所々属執行吏をして右妨害排除のため現地に於て適当な処置をとらしめることができる。

右旨の御裁判を求む。

申請の理由

一、申請人等は肩書地に於て菊間瓦の製造販売を業とするもので被申請人は専ら申請人の使用する瓦製造用粘土並に製品瓦の港湾による搬入搬出の荷役を営む六十二人により結成された労働組合である。

二、昭和二十九年三月二十三日被申請人は申請人等に対し前記運搬賃金の二割方値上を要求したが申請人等としては燃料材料賃金等の騰貴のため採算上到底其要求に応じられないため之を拒否し其後再三の交渉を重ねたが解決に至らなかつたところ被申請人は同年四月二十四日より其就業を拒否しストを決行するに至つた。

三、然るところ被申請人は其自己の港湾荷役作業を拒否することは当然としても同年五月十六日より全然従来の自己の荷役と関係のない申請人等の陸運による輸送の妨害を開始し申請人等が自己の工場より製品瓦を自動車によつて搬出せんとするや其積込のトラツクの周囲を取り巻き或は車の下に入りトラツクの進行を不可能ならしむ等あらゆる妨害手段を講じているのみならず粘土の搬入についても同様の妨害をくりかえす現状である。

四、申請人等の製造する瓦は年産約六百万枚に及び菊間町産業の主軸をなすもので製造工は素より之に依存する町民の損害は莫大なるのみならず瓦は建築物の建て上げと同時に絶対必要なもので殊に梅雨季をひかえ瓦の葺きあげ遅るる時は建物を朽らし永久の大損害となるので申請人等は送り先から毎日矢の様な送品の督促を受け斯る被申請人等の妨害により製品出荷粘土搬入遅延せんか需要先に対する信用を失墜し契約解除損害賠償等の要求を受け申請人に於て有形無形の莫大な損害を蒙ることとなる。被申請人の妨害行為は全く争議行為を不当に逸脱せるものである。

依て本訴を俟つの遑なく右著しき損害を避け急迫強暴の妨害行為を防ぐため本申請に及ぶものである。

疎明方法〈省略〉

昭和二十九年五月二十四日

右申請代理人 梶田茂

松山地方裁判所 今治支部御中

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