大判例

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神戸地方裁判所 昭和61年(わ)936号 判決

本籍

大阪府高石市取石二丁目一〇六〇番地

住居

同市取石二丁目七番一五号

無職

北口洋人

昭和一五年二月二一日生

右の者に対する相続税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官高田明夫出席のうえ、審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一〇月及び罰金三〇〇万円に処する。

被告人が右の罰金を完納することのできないときは金三〇、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

本裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、分離公判前の相被告人上野勉、同坂元良次、同石田吉信、同環秀雄及び同内田と共謀の上、右上野勉の父上野政一が昭和五七年三月一三日死亡したことによる右上野勉の相続に関し、右上野政一にかかる架空債務を計上するなどして相続財産の課税価格を減少させる方法により右上野勉の相続税を免れようと企て、同年九月三〇日、神戸市兵庫区水木通二丁目一番四号所在の兵庫税務署において、同税務署長に対し、右上野勉の法定相続分に基づく相続税の申告をするに際し、同人の相続財産にかかる課税価格は六七二八万五五七七円でこれに対する相続税額は二九三九万一五〇〇円であるにもかかわらず、右上野政一には全日本同和会和歌山県連合会に五億六五八三万三三三三円の債務があり、右上野勉はこの内四七一五万二七七七円の債務を負担すべきこととなったかのごとく仮装し、その相続財産の課税価格は二〇一三万二七九八円でその相続税額は四八二万七五〇〇円である旨の内容虚偽の相続税の申告書を提出した上、同五八年四月一五日、同税務署において、同税務署長に対し、右上野勉が共同相続人との遺産分割の協議によりその相続財産の一部を相続したとして修正申告するに際し、右上野勉の相続財産にかかる課税価格は八億一九〇二万三六五八円で、これに対する相続税額は三億九九八五万五三〇〇円であるにもかかわらず、同人が右上野政一の債務を全て負担すべきこととなったかのごとく仮装し、その相続財産の課税価格は二億一九七四万五二三〇円でその相続税額は五二六七万五八〇〇円である旨の内容虚偽の相続税の修正申告書を提出し、もって、不正の行為により、右上野勉の相続税三億四七一七万九五〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷における供述

一  第一回公判調書中の被告人の供述部分

一  被告人の検察官に対する各供述調書(昭和六一年一〇月一五日付〔検甲31号〕を除く四通)

一  分離公判前の相被告人上野勉(六通)、同坂元良次(六通)、同石田吉信(同月二日付、同月三日付、同月四日付、同月五日付、同月七日付、同月八日付、同月九日付、同月一〇日付、同月一一日付、同月一二日付〔二通〕)、同環秀雄(同月一日付、同月三日付、同月四日付、同月五日付、同月六日付、同月七日付、同月一一日付〔二通〕、同月一四日付)及び同内田(同月三日付、同月四日付〔二通〕、同月五日付、同月六日付〔二通〕、同月九日付、同月一三日付)の検察官に対する各供述調書

一  三谷正の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の同月二一日付脱税額計算書

一  大蔵事務官作成の同月二二日付各証明書

一  大蔵事務官作成の同月八日付、同月九日付(二通)、同月一七日付、同月一八日付、同月二二日付各査察官調査書

(法令の適用)

一  判示所為 刑法六五条一項、六〇条、相続税法六八条一項

一  刑の選択 懲役刑と罰金刑の併科

一  執行猶予(懲役刑につき)刑法二五条一項

一  労役場留置 刑法一八条

一  訴訟費用 刑事訴訟法一八一条一項但書

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 東尾龍一)

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