大判例

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神戸地方裁判所尼崎支部 昭和62年(ワ)125号 判決

主文

一  本件訴を却下する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一  当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告は、原告に対し、金五八二万円を支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

3  仮執行宣言

二  請求の趣旨に対する答弁

1  原告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

第二  当事者の主張

一  請求の原因

1  原告と被告とは、昭和五二年五月二七日、原告が被告に対し昭和四九年四月五日から昭和五二年五月二五日までの間に貸付けた金員のうち九六〇万円を目的として、返済期限を昭和五三年九月二七日とする準消費貸借契約をなした(以下「本件貸金」という)。

2  原告は、被告に給料月額三二万円、毎月二八日払いの約定で雇用されていたところ、被告は、原告に昭和五五年一一月分の給料の支払をしない(以下「本件給料」という)。

よって、原告は、被告に対し本件貸金の内金五五〇万円及び本件給料三二万円の合計五八二万円の支払を求める。

二  請求の原因に対する認否

いずれも否認する。

三  抗弁

1  原告は、本件貸金につき原被告間で作成された公正証書(以下「本件公正証書」という)に基づき、被告に対し有体動産の差押をなし、被告は、これに対し請求異議の申立をした(当庁昭和五五年(ワ)第六八九号)。そして、右事件において、原被告間に昭和六〇年四月二二日和解が成立した(以下「本件和解」という)。

2  被告は、本件和解条項の一項で、原告に対し本件貸金の内金五五〇万円及び本件給料三二万円の債務を負担していることを認めその確認をなしたが、一方、原告が右債務を自然債務とし、原告に対し強制執行の申立をしないことに同意したため、右確認条項の記載のみがなされたものである。

したがって、本件貸金及び本件給料債務はいずれも自然債務であるので、原告の請求は許されない。

四  抗弁に対する認否

1  抗弁1は認める。

2  同2のうち、本件和解条項の一項で本件貸金の内金五五〇万円及び本件給料三二万円の債務の確認がなされたことは認めるが、その余は否認する。

本件和解条項には、原告が右債務自体につき強制執行の放棄をした記載はない。同条項二項には、単に本件公正証書に基づいて強制執行をしないとの記載がなされているに過ぎず、本件和解に基づく債務は、弁済期の定めのないものではあるが、自然債務となるものではない。

第三  証拠(省略)

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