大判例

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福岡地方裁判所 昭和46年(ヲ)1042号 決定

申立人 原田清春

主文

本件異議申立を棄却する。

理由

本件申立の要旨は、

「債権者申立人、債務者破産者株式会社六本松電器(破産管財人竹中一太郎)、所有者破産者大津章(破産管財人竹中一太郎)間の福岡地方裁判所昭和四五年(ケ)第一六四号不動産競売事件において、当裁判所は競売代金の配当に関し昭和四六年七月二七日の配当期日のために別紙の配当表を作成したのであるが、抵当権者たる申立人の請求債権の額は代位弁済元本金九五万円、およびこれに対する昭和四一年七月二五日から昭和四三年一月九日までの利息と遅延利息を合わせ代位弁済した金八万九、七三〇円合計金一〇三万九、七三〇円であるにもかゝわらず、前記配当表によると、申立人の債権額を右代位弁済金の四分の一の割合の金額に削減したうえ申立人の配当額を決定したのは違法である」というにある。

よって判断するに、本件記録によると、申立人の本件抵当権はもともと国民金融公庫が債務者株式会社六本松電器(旧商号株式会社博多無線)に対し昭和四〇年六月八日、月利七厘五毛、損害金日歩四銭、昭和四二年二月二〇日を最終支払期として二〇回分割払の約で申立人、松岡徳行、大津章、大津敏子の四名による連帯保証のもとに金二〇〇万円を貸与した貸金債権を担保するため、右連帯保証人たる大津章および申立人が持分各二分の一の割合で共有する本件三筆の宅地に対し設定されたこと、右貸金のうち主債務者株式会社六本松電器によって支払がされなかった残額分を完済するため、連帯保証人たる申立人が、昭和四一年七月二五日から昭和四三年一月九日までの間逐次右償還元金として計金九五万円およびこれに対する所定の利息ならびに遅延利息計金八万九、七三〇円(国民金融公庫作成の代位弁済証明書によって認める)合計金一〇三万九、七三〇円を代位弁済し、これにより申立人が、右大津の持分に対する本件抵当権の移転を受けて本件不動産競売事件として実行したものであること、その後競売手続が進行し当裁判所は記録に基づいて権利者に対する交付額の計算関係を明らかにするため別紙配当表を作成したこと(申立人は債権額の計算書を提出しない)が認められる。しかして申立人の本件抵当権に対する代位のおよぶ範囲は、民法五〇一条により連帯保証人の一人である右大津に対する申立人の求償権の範囲に限られ、その範囲は民法四六五条一項、四四二条によれば連帯保証人としての負担部分であると解される。そして、前記四名の連帯保証人間に負担部分についての特約の存したことを認めるべき資料のない本件においてはその負担部分は各自平等とみるべく、さらに連帯保証人が物上保証人を兼ねる点についてはこれを単に一人として頭数を計算するのが相当であるから結局申立人は、同人の前記弁済額のうち右大津の負担部分に相当する四分の一の範囲内において、本件抵当権を代位行使しこれから弁済を受けるべきである。

そこで、これに基づいて申立人の請求しうべき債権額を算定するに、

(1)  代位弁済元本金九五万円の四分の一すなわち金二三万七、五〇〇円

(2)  利息ならびに遅延損害金

たゞし右大津が破産者であることは記録上明らかであるから満期になった最後の二年分に限られ、その基準日は申立人が代位弁済し終った日である昭和四三年一月九日とするのが相当である。すなわち

(イ)  昭和四一年七月二五日から基準日にいたる五三三日分の代位弁済した利息および延滞利息合計金八万九、七三〇円の四分の一すなわち金二万二、四三二円

(ロ)  さらに前記(1)の代位弁済元本二三万七、五〇〇円に対する基準日の翌日である昭和四三年一月一〇日から同年七月二四日まで一九七日分の月利七厘五毛の割合(大津章作成の昭和四三年一月九日付確認書によって認める)による遅延損害金一万一、五三六円を含ましめるのが相当である。

以上(1)、(2)((イ)(ロ))の合計額金二七万一、四六八円をもって申立人の債権の合計額とすべく、本件においては配当金に不足を生じないから申立人は右の債権額全額の配当を受けうべく、当裁判所が別紙配当表においてはその旨決定したのは正当である。

よって、本件異議申立は理由がないのでこれを棄却することとし、主文のとおり決定する。

(裁判官 三宮康信)

〈以下省略〉

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