大判例

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福岡家庭裁判所柳川支部 昭和39年(家)35号 審判

申立人 三笠友子(仮名)

相手方 千田道男(仮名)

主文

相手方は申立人に対し金一五万円を支払え。

申立人と相手方間の長男洋一(昭和三五年六月三〇日生)ならびに三男則男(昭和三八年二月二五日生)の親権者を申立人と指定する。

手続費用は之を二分し、その一を申立人の負担とし、其余は相手方の負担とする。

理由

第一、調査の結果によれば次の事実を認むることが出来る。

一、婚姻から離婚までの経緯

(1)  申立人と相手方は、昭和三四年九月一日事実上の婚姻をなし、その翌年、昭和三五年七月九日婚姻届を提出し、同年六月三〇日長男洋一が出生した。その後二男昭男が昭和三六年一二月一七日出生(昭和三七年三月一日死亡)し、また三男則男は昭和三八年二月二五日出生した。

(2)  相手方は、柳川市○○の表通り(肩書住所)で時計商を営み、申立人も右営業を手伝つていたところ、右当事者双方は相互に性格上の相違、その他の理由などにより感情の融和を欠き次第に不和となり、屡々暴行に訴えて喧嘩口論をするようになつた。

斯様にして申立人は相手方より同居に堪えない虐待を受けたので止むなく長男洋一と三男則男を連れて昭和三八年八月一一日実家に帰り、次で同年一二月一二日当裁判所に離婚、親権者指定、財産分与ならびに慰籍料請求の調停申立を為したので、当裁判所に於ては数回に亘り調停を試みた結果、昭和三九年三月九日の第三回調停期日に離婚のみ調停が成立したけれども、其余は不成立となり、右親権者指定ならびに財産分与について審判に移行するに至つた。

二、当事者双方の婚姻中に於ける生活状況

相手方は肩書住所に木造瓦葺二階建店舗一棟、床面積二六・四四六二平方メー卜ル弱(建坪八坪弱)を所有し、この店舗に於て時計類の販売ならびに修理業を営んでおり、商品としては、時計の外に眼鏡、指輪、時計バンド等を取扱つていたところ、結婚当時は商品の数量も僅少で売上高も微々たるものであつたが、申立人は結婚以来四年半にわたり相手方を補助し、夫婦協力して営業に精励した結果、業績も次第に好転し、売行も増加し、月収は約五万円となり、商品の数量も結婚当時と比較すれば、数倍に上昇し、概算額七〇万円相当の商品を右店舗に陳列しておつた程である。

第二、財産分与と親権者指定

以上認定した諸事情を綜合して考察すると、相手方は申立人に対し金一五万円を支払うのが相当であると共に申立人の長男洋一ならび三男則男に対する愛情関係などを勘案して右両名の子の親権者として申立人を指定することが適当であると認め、其旨決定することとした。

よつて手続費用の負担について非訟事件手続法第二六条、第二七条、第二九条を各適用して主文のとおり審判する。

(家事審判官 藤本信喜)

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