大判例

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福岡高等裁判所 昭和25年(う)572号 判決

被告人

松本和男

主文

本件控訴を棄却する。

当審における未決勾留日数中二百日を原審の刑に算入する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人堤牧太の控訴趣意第二点について。

なるほど原判示は被告人は更に川越、上田と共に石井銀蔵、同人妻トミを脅迫しその抵抗を抑圧しとあつて如何なる具体的事実を以て脅迫したか明らかでないが被告人及び右川越、上田は強盗を共謀の上被告人において判示のように石井銀蔵を脅迫し同人に暴行を加え傷害を与えたものであるから右川越、上田もともに被告人の右行為についてはその責任を負ふべきは当然で、その被告人の行為は石井銀蔵等を恐怖せしめ反抗を抑圧するに充分である。而して原判示は被告人の右行為によつて石井銀蔵等が恐怖し反抗を抑圧されている状態に乗し被告人及び川越、上田が判示の金品を強取したものと解すること、原判決に示している証拠との対照上強ち無理とは言えない。尤も原判決は石井銀蔵同人妻トミを脅迫し、その抵抗を抑圧して現金千円、国防色ズボン外衣類四点を強取しと認定して居り、右は証拠との対照上右二名より強取したものであることが明らかであるに拘わらず、法令適用の点において刑法第五十四条第一項前段を示していたし、然しながら右法令適用の誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであることは未だ控訴趣意書記載によつては認められないから右法令適用の誤は原判決破棄の理由とはならぬ。結局論旨は採用し難い。

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