大判例

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福岡高等裁判所 昭和34年(ネ)193号 判決

理由

株式会社の発起人が会社の設立を前提条件として設立さるべき会社のために会社営業所の賃借権を取得する契約をなすことは、それが賃貸人たるべき者との賃貸借契約に基ずき取得すると、はたまた既存の賃借人から賃貸人の承諾を受けて賃借権を譲受け取得するとを問わず、いわゆる開業準備行為であつて、発起人の当然の権限内にあるものではなく、その賃借権を設立会社に帰属させるにはいわゆる財産引受け(賃借権取得の対価として株式を取得させる場合は現物出資であるが)に関する規定に従い、定款に記載した上所定の手続をふまないかぎり無効であり、以上の手続を経ることは、賃借権が会社に帰属するためのいわゆる帰属要件であつて、たんに発起人に対する権限附与の要件ではないから後日成立した会社において右の賃貸借契約ないし賃借権譲渡契約を追認し、賃貸人もしくは賃借権譲渡人及び賃貸人双方において右の各契約を追認しても有効となることはなく、会社成立後改めて、賃貸借契約を結ぶか、もしくは改めて賃借権の譲渡を受け譲渡につき賃貸人の承諾を得ないかぎり、賃借権の取得行為は依然として無効であると解するのが相当である。

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