大判例

20世紀の現憲法下の判例を掲載しています

福岡高等裁判所 昭和41年(ネ)859号 判決

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴代理人は、「原判決中控訴人敗訴部分を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は、「主文第一項同旨」の判決を求めた。

当時者双方の事実上の陳述、証拠の提出、援用および認否は、左記に一部附加する外は、原判決の事実摘示と同一であるから、ここにこれを引用する。(但し、原判決六枚目表一行目中「昭和三八年八月一五日」とあるのを「昭和三七年八月一五日」と訂正する。)

(被控訴人の主張)

離婚による財産分与と慰藉料の請求は、夫々限定的に解すべきものであつて、包括的に解すべきものではない。特に、本件においては、財産分与の請求をした前訴(乙第一号証の一)では、控訴人は、夫婦共有財産の精算の意味で、財産の分与を請求したものであり、しかも、同訴訟で、分与を受けた財産は、僅かに、タンス一棹、水屋一個に過ぎなかつたことを考えれば、右財産分与は、離婚による慰藉料を含むものとは到底考えられないから、財産分与がなされた後においては、もはや離婚による慰藉料の請求はなしえないとの控訴人の主張は失当である。

(証拠関係)(省略)

理由

当裁判所も、原判決の説示するところと同一の理由で、被控訴人の本訴請求は、原判決認容の限度において正当として、これを認容し、その余は失当として、棄却すべきものと判断するので、原判決理由記載全部をここに引用する。(但し、原判決九枚目裏一行目中の「洋服タンス一棹」とあるを削除する。)

右引用にかかる原判決認定に反する当審証人村井俊介の証言および当審における控訴本人尋問の結果は、いずれもたやすく措信できず、当審において、控訴人が新たに提出した乙号各証によつても、前記認定を左右することができない。

してみると、原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴費用の負担について民事訴訟法第九五条本文、第八九条を適用して主文のとおり判決する。

「大判例」は20世紀で日本国憲法下の裁判例のうち,公刊物に掲載されたものをまとめたインターネット判例集です。原則として公刊されたものをそのまま載せています。

憲法により判決は公開とされており,法曹および法律研究者に利用されているものです。その公共性と平等主義の観点から,送信防止措置または改変には一切応じませんのでご了承ください。

©daihanrei.com