大判例

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福岡高等裁判所宮崎支部 昭和61年(ネ)202号 判決

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人は「原判決を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の主張は原判決事実摘示と同一であり、証拠関係は原審記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりであるので、いずれもこれらを引用する。

理由

一  当裁判所は、被控訴人の本訴請求は理由があるのでこれを認容すべきであると判断するが、その理由は、原判決六枚目表二行目の次に改行のうえ左のとおり挿入するほか、原判決理由中の説示と同一であるからこれを引用する。

「なお、原審証人山本照弘の証言及びいずれも同証言により真正に成立したと認められる甲第五、同第八号証によれば、被控訴人は、昭和六〇年七月三〇日、被控訴人内部においては、本件配当金七六〇万円のうち金一一七万三七九六円を、本件貸金の残元金二〇九万円のうち金一〇九万円及び利息九九万六五七八円のうち金八万三七九六円宛各充当(本件貸金債権の残額は、元金一〇〇万円及び利息金九一万二七八二円の合計金一九一万二七八二円とされた。)することとしたことが認められる。しかし、当事者の指定による弁済の充当は相手方に対する意思表示によつてなすことを要する(民法四八八条三項)ところ、被控訴人が右弁済充当の意思を控訴人に対して表示したことはこれを認めるに足りる証拠がなく、本件記録によれば、被控訴人は、昭和六〇年一二月六日の原審第八回口頭弁論期日で陳述した同日付準備書面により、本件配当金のうち金一一七万三七九六円を、本件貸金の当時の未払利息一〇万四一二一円及び遅延損害金二〇八万〇二二二円の一部に充当(本件貸金債権の残額は、元金二〇九万円及び遅延損害金一〇一万〇五四七円とされた。)する旨の意思表示をなし、その後昭和六一年四月四日の原審第一二回口頭弁論期日で陳述した同日付準備書面により、請求原因5のとおり充当方法を変更したことが認められるところ、右充当方法の変更が特に不合理と認められる証拠はない。しからば、本件貸金債権については本件配当金のうちから同請求原因5(四)のとおり被控訴人による弁済充当の指定が行われたと認めるのが相当である。」

二  そうすると、原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないのでこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

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