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釧路地方裁判所帯広支部 昭和44年(ワ)269号 判決

原告

池田幸子

ほか二名

被告

釧路日産自動車株式会社

主文

一  被告は、原告池田幸子に対し、金二七一万三、〇三〇円および内金二四六万六、三九一円に対する昭和四四年七月二日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告は、原告池田美好および同池田寿彦に対し、それぞれ、金二一六万三、〇三〇円および内金一九六万六、三九一円に対する昭和四四年七月二日から完済まで年五分の割合による金員を、支払え。

三  原告らのその余の各請求をいずれも棄却する。

四  訴訟費用はこれを四分し、その一を原告らの、その余を被告の、各負担とする。

五  この判決の第一項および第二項は、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一申立

一  (原告ら)「1、被告は原告池田幸子に対し、金三七六万六、九五七円および内金三四四万六、九五七円に対する昭和四四年七月二日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。2、被告は、原告池田美好および同池田寿彦に対し、それぞれ、金二六八万六、九五七円および内金二四四万六、九五七円に対する昭和四四年七月二日から完済まで年五分の割合による金員を支払え。3、訴訟費用は被告の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言。

二  (被告)「1、原告らの各請求をいずれも棄却する。2、訴訟費用は原告らの負担とする。」との判決。

第二主張

一  原告らの請求の原因

(一)  (事故の発生)

昭和四四年七月二日午前零時二〇分頃、北海道中川郡豊頃町所在の茂岩橋上において、訴外本間猛(以下、訴外本間という。)運転の普通乗用自動車(帯五ひ〇九九一、以下、加害車という。)と歩行者である訴外池田秀治(以下、被害者という。)とが衝突し、被害者が全身打撲等により即死する交通事故(以下、本件事故という。)が発生した。

(二)  (被告の責任)

1 被告は、自動車の販売等を目的とする会社であり、そのセールス・マンである訴外本間をして加害車の所有をすすめ、かつ、その業務使用をも認めていたものであるから、本件加害車の運行供用者として、これにより生じた本件事故について自動車損害賠償保障法(以下、自賠法という。)第三条による損害賠償責任を負う。

2 仮に、そうでないとしても、訴外本間は被告に使用される自動車セールス・マンであり、本件事故は、同訴外人がその業務のために北海道十勝郡浦幌町に出張したうえ、帯広市の自宅に帰る途中において発生したものであるから、被告は民法第七一五条により、損害賠償責任を負う。

(三)  (原告らの地位)

原告池田幸子(以下、原告幸子という。)は被害者の妻であり、その余の原告らはいずれも被害者の子であるから、被害者の死亡によりその債権債務を法定相続分に従つて各三分の一ずつ相続した。

(四)  (原告らの損害)

1 被害者の逸失利益の相続

(1) 被害者は本件事故当時、堅実な規模を有する北海道中川郡池田町所在訴外株式会社遊佐組に、労務責任者として稼働していた健康な満四〇才一一月の男子であつて、本件事故がなかつたなら、なお二五年間(満六五才まで)の就労、稼働が可能であつたと推定される(その余命は三一・〇二年と推定される。)。

(2) 被害者は本件事故当時、一日金二、〇六四円の賃金をえて、少なくとも年間八カ月(二四三日)稼働していたほか、残りの四カ月(一二二日)につき、一日金一、二〇〇円の割合による失業保険金を受給していたので、その年間の収入は計金六四万七、九五二円であつた。

(3) 昭和四三年全国全世帯平均家計調査報告によれば、一人当りの一ケ月平均生活費は金一万五、六二八円であるから、これに基き、被害者の生活費を一年金一八万七、五三六円とする。

(4) 従つて、被害者の逸失利益は年間金四六万四一六円であり、その二五年間分の現価は、その一五・九四四(二五年のホフマン式計算係数)倍に当る金七三四万八七二円である。

(5) 原告らは、右逸失利益の損害賠償債権を法定相続分に従い、金二四四万六、九五七円ずつ相続した。

2 慰藉料

被害者の死亡により原告らがうけた精神的苦痛に対する慰藉料は、原告幸子につき金三〇〇万円、その余の原告らにつき各金五〇万円、が相当であるところ、原告らは、すでにいわゆる責任保険金として金三〇〇万円を受領しているので、これを原告幸子につき金二〇〇万円、その余の原告らにつき各金五〇万円、それぞれ充当し、本訴においては、原告幸子の残額金一〇〇万円を請求する。

3 弁護士費用

原告らは被告がその損害賠償責任を否定しているため、やむなく、本訴の提起、遂行を弁護士に委任することとなつたので、その費用として原告幸子は金三二万円、その余の原告らは各金二四万円、を請求する。

(五)  (結論)

よつて、被告に対し、原告幸子は、計金三七六万六、九五七円と内弁護士費用を除く金三四四万六、九五七円に対する事故発生の日である昭和四四年七月二日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金、その余の原告らは、それぞれ、計金二六八万六、九五七円と内弁護士費用を除く金二四四万六、九五七円に対する昭和四四年七月二日から完済まで年五分の割合による遅延損害金、の各支払いを請求する。

二  被告の請求原因に対する答弁

(一)  原告らの請求原因第一項の事実は不知。

(二)  同第二項の1、2の各事実は否認する。すなわち、本件加害車の所有者は、訴外本間であり、同訴外人は、被告より、私有車を業務のため使用しないよう命じられていたにも拘らず、ひそかにこれを使用していたものであり、しかも、訴外本間が被告の業務のため加害車で浦幌町に出張したことは事実であるとしても、本件事故は、同訴外人が、その業務を終え、同町で私的に飲酒したりしたのちに発生したものであるから、自賠法第三条によつても、民法第七一五条によつても、被告には何ら責任がない。

(三)  同第三項の事実は不知。

(四)  同第四項の各事実のうち、2の金三〇〇万円の保険金受領の点を認め、1の統計的数他の存在を争わないほか、全て不知。

三  被告の抗弁

本件事故現場である茂岩橋上の道路は、その幅員が非常に狭く、車両のすれちがいもようやく可能な位であつて、歩道もなく、車両通行のさいには、欄干との間にようやく歩行者一人分の間げきが得られるような状況にあり、被害者はこれを了知していたのであるから、右橋上を歩行するに当つては、車両の通行状況に留意し、自らも車両との接触の危険を避ける措置をとるようにすべきであつた。しかるに、被害者は酒の酔いも手伝つて、同行者訴外石田弘夫(以下、訴外石田という。)とともに横に並んで通行し、対向してきた加害車の通行状況に留意せず、避難措置もとらなかつた。その結果、右訴外石田が衝突を避けることができたのに、被害者はこれをなしえなかつたのであつて、要するに、被害者には本件事故発生について、過失がある。

従つて、仮に被告に損害賠償責任があるとしても、その額の算定に当つては、被害者の右過失も考慮されるべきである。

四  原告らの抗弁に対する答弁

被告の抗弁事実のうち、本件事故現場の状況、被害者の歩行状況は認めるが、その余の点は否認し、被害者に過失があるとの点は争う。

第三証拠〔略〕

第四理由

一  事故の発生

〔証拠略〕によれば、昭和四四年七月二日午前零時二〇分頃、北海道中川郡豊頃町の茂岩橋上において、訴外本間運転の加害車と歩行者である被害者とが衝突し、その結果被害者が間もなく死亡するに至つた交通事故が発生したことが認められ、他にこれを左右するに足る証拠はない。

二  被告の責任

(1)  〔証拠略〕によれば、(イ)、被告会社の前身である道東日産株式会社(以下、同会社を含めて本項では被告会社という。)は、自動車の販売等を業務とする会社であり、訴外本間は、昭和四三年四月頃被告会社に入社し、本件事故発生当時まで、その帯広支店に所属する車両等の販売員(いわゆるセールス・マン)であつたこと、(ロ)、加害車は昭和四三年一〇月頃、訴外本間が被告会社より三六回分割支払の月賦で購入したものであり、本件事故発生当時、未だその代金支払いは完了しておらず、その自動車登録簿上の所有権者は被告会社、使用の本拠の位置は被告会社の帯広支店所在地となつていたこと、(ハ)、被告会社は、販売員のセールスのための出張等にさいし、社有の商品車を使用することを認めていたが、商品車以外の社有車は充分でなく、帯広支店の販売員の多くは個人的に自動車を購入し、これをセールスのための出張等にも使用していたこと、(ニ)、訴外本間も汽車、バス等を利用したのではセールスの職務に不便であることが一つの動機となつて、昭和四三年一〇月頃右(ロ)のように、加害車を購入したものであり、被告会社からは、その購入につき価格、代金支払方法など、維持につき修理価格などの点で部外者に比し、便宜をはからつてもらつたこと(但し、右便宜は販売員としてでなく、社員としてのものであること)、(ホ)、訴外本間は、右加害車購入当時十勝郡浦幌町に居住しており、のち、帯広市内に転居したが、加害車を通勤等に利用したほか、担当地区へのセールスのための出張など社用にも利用していたこと、(ヘ)、被告会社は販売員の私有車の社用利用を積極的にすすめないまでも許容しており、社用で利用した場合には出張日当のほかにガソリンをチケツトで支給していたこと、(ト)、本件事故発生の前日(昭和四四年七月一日)、訴外本間は被告会社帯広支店を午前九時ないし一〇時頃出発し、加害車を使用して自己の担当区域である十勝郡浦幌町に赴き、数人の顧客を訪ねるなどセールスの職務に従事したのち、午後一〇時すぎ頃、帰宅しようとしたさい偶々友人の訴外矢野利勝に出会つたため、同訴外人らと同町内の「エーワン」、「松」などの飲食店において飲酒歓談し、一度は同訴外人宅に泊る気持になつたにも拘らず、気が変わり、一人で帯広市内の自宅に向け、加害車を運転した結果、本件事故発生に至つたものであること、以上の各事実が認められ、〔証拠略〕もこれら認定を左右するに足るものでなく、他にそのような証拠は存しない(証人村田茂は、被告会社において社用のための私有車利用を認めていたのは事実であるが、昭和四四年四月一日より社内規定〔証拠略〕により相当額のいわゆる任意保険の契約が締結されていない私有車を社用に利用することを禁止することとなり、保険料の一部を補助するなどの方法で任意保険契約の締結をすすめたところ、同年六月頃には、帯広支店における保険契約未締結の社員は訴外本間ほか二名位になつていたこと、被告会社帯広支店では右社内規定を同年七月一日から厳格に実施する方針をとり、訴外本間にもその旨知らせて、保険契約の締結を強くすすめたが、同訴外人は被告会社に対し契約締結を約束しながら実行しないまま、本件事故発生の前日、被告会社の厳命に反してひそかに加害車を使用したものである、旨供述しており、証人児玉輝彦もその一部にそう供述をしているが、これらは〔証拠略〕に照らし、措信できず、乙第一号証もその作成の時期が明らかでなく、証人村田茂の供述を裏付けるに足るものではない。)。

(2)  右(1)認定の各事実(とくに、(イ)、(ハ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)の各事実)によれば、被告会社は社員である訴外本間を介しての間接的なものとはいえ、加害車の運行を支配していたものであり、その運行利益を享受していたものというべきであるから、被告会社は、加害車について自賠法第三条にいう「自己のために自動車を運行の用に供する者」に該当し、その運行によつて生じた本件事故に関し、その損害を賠償する責任がある。

三  原告らの地位

〔証拠略〕によれば、原告幸子は被害者の妻であり、その余の原告らはいずれもその子であることが認められ、他にこの点を左右するに足る証拠はない。従つて、特段の事情がうかがえない本件においては、原告らは、被害者の死亡により、その債権債務を法定相続分である三分の一ずつ相続したものというべきである。

四  原告らの損害

(一)  被害者の逸失利益の相続

1 〔証拠略〕によると、(1)被害者は本件事故当時訴外株式会社遊佐組に雇用され、土工夫兼配管工(作業長)として五月初旬より一二月初旬まで少くとも七ケ月間は稼働して賃金をえるとともに、その余の期間失業保険金を受給していたこと、(2)その昭和四四年五月七日から同年六月三〇日までの間の賃金は一日平均金二、二七三・五円(労働賃金―一日の基本給は金一、八〇〇円で、時間外加算分も存する。―および請負賃金の合計であり、失業保険料を控除する。)であり、失業保険金は一日金一、〇八〇円(基本給の六割)であつたから、その年間収入は、(うるう年を四年に一回として)計金六四万九、八七九円と算定されること、(3)被害者は右訴外会社に昭和四三年より稼働したものであるが、その職場は比較的安定しており、被害者は本件事故当時満四〇才一〇月の健康な男子であつたから、その職種、労働内容を考慮しても、本件事故がなかつたなら、その年令に対応する就労可能年数(二二年二月)を若干下廻る二〇年間は、右訴外会社において稼働することが可能であつたと推定されること、(4)被害者の生活費は、その一家の主人としての地位、年令、職業、家族構成を考慮すると、右全稼働可能期間を通じて収入の三分の一と推定するのが相当であること、がそれぞれ認められ、あるいは判断されて、他にこれらの点を左右するに足る証拠は存しない((2)の失業保険金額については、失業保険法第一七条、同条の二ないし四などによると他の算定がなされる可能性もあるが、原告らからは現実に受給した筈である昭和四四年一月頃ないし四月頃の金額につき何らの立証がなく、原告ら、被告双方とも他に具体的な主張、立証をしない。(4)の生活費控除の方法については、原告ら主張のそれは被害者の収入額を考慮していない点で相当でなく、他方、収入額、家族の年令等に応じて控除率を段階的に変化させる方法も、複雑かつ技術的にすぎて相当といえない。)。

2 従つて、被害者の逸失利益は、金六四万九、八七九円から、その三分の一である金二一万六、六二六円を控除した金四三万三、二五三円の一三・六一六(二〇年のホフマン式計算係数)倍である金五八九万九、一七三円と算定され、原告らは、それぞれ、その三分の一である金一九六万六、三九一円ずつを逸失利益の損害賠償金債権として相続したことになる。

(二)  慰藉料

前示三のとおり被害者が一家の主人であることその他の諸事情を考慮すると、その死亡による精神的苦痛の慰藉料は、原告幸子につき金二五〇万円、その余の原告らにつき、それぞれ金五〇万円(合計金三五〇万円)が相当であると考えられる。

(三)  弁護士費用

〔証拠略〕によれば、原告らは、本件事故の損害賠償につき被告がその責任を回避する態度を示したため、弁護士に本訴の提起、遂行を委任せざるをえなくなつたこと、その費用は、各原告とも本訴における認容額の一割が相当であること、がそれぞれ認められ、あるいは判断されて、他にこの点を左右するに足る証拠はない。

五  被告の過失相殺の抗弁

本件事故現場である茂岩橋上の道路は、その幅員が狭く、車両のすれちがいもようやく可能な位であつて、歩道がなく、車両通行のさいには、欄干との間にようやく歩行者一人分の間げきが得られるような状況にあつたこと、被害者は同行者である訴外石田とともに横に並んで通行していたこと、はいずれも当事者間に争いがない事実であり、これによれば、一般的にいつて、被害者にも車両の運行状況に留意し、自らも車両との接触の危険を避けるようにする義務があつたことは、被告主張のとおりである。しかしながら、〔証拠略〕によれば、本件事故発生の当時(午前零時二〇分頃)における現場付近の車両の交通量はさして多くなく、被害者らが茂岩橋上を約八〇〇米にわたり歩行中、同方向に走行する車両はなかつたこと、茂岩橋上の道路の幅員は約六米であり、車幅約一・四八米の加害車と被害者とが衝突したのは、その端(被害者らにとつて右端)約〇・五五米の地点と推定されていること、被害者と訴外石田とは肩がふれあう程度にくつついて、道路右端を通行していたもので、同訴外人は約一〇〇米前方に加害車を発見したとき、当然先にすれちがつた自動車と同様、加害車も被害者らを避けて走行するものと考えていたこと、そのため、加害車が約一〇米前方に近づいたとき、はじめて危険を感じ、身体を欄干につけて衝突を避けたものであること、加害車は、被害者らとすれちがうさい、とくに減速などしなかつたこと、被害者は事故前相当量の酒を飲んでいたが、とくに身体がふらつくなど、その行動能力を著しく制約されるほどの酩酊状態には陥つておらず、事故直前にも、訴外石田に対し、「危ない。」などと声をかけて身を避けようとしていたこと、がそれぞれうかがえるのであつて、そうであれば、被害者が死亡した現在、本件事故当時におけるその認識、判断、行動を適確に認定することは困難であるとしても、被害者は加害車を発見し、その運行状況に注意しながらも、加害車が被害者らを避けて走行するものと考え、そのため、危険を認識し、これに対処するのが遅れたにすぎなかつた、との疑いが極めて強く、被害者に原告主張のような意味での過失、とくに、過失相殺に価するほどの過失があつたとまで認めることはできない(幅員が狭いといつても約六米存する場合、当然に二人が横に並んで歩行してはいけないものとはいえないし、車両と車両とが、すれちがうような状況であれば格別、そうでない場合には、歩行者として、対向車両が対面する歩行者を避け、必要に応じ減速しながら走行するであろうことを期待するのが通例であつて、被害者がそのように考え、そのため、結果的に、危険を避ける行動が遅れたとしても、これを被害者の過失とすることはできないのである。)のであつて他にこの点を認めるに足る証拠はない。

結局、被告の過失相殺の(仮定的)抗弁はその前提を欠き、採用できない。

六  弁済

原告らに対し、いわゆる責任保険金として金三〇〇万円が支払われていることは当事者間に争いがないから、被告から特段の具体的主張がない本件においては、その内金二〇〇万円が原告幸子の慰藉料の一部に、その内金五〇万円ずつがその余の原告らの各慰藉料に、それぞれ充当されたものとするのが相当である。

七  結論

(一)  以上の検討結果によれば、原告らが本訴において被告に対し請求するところは、原告幸子につき、四の(一)の「金一九六万六、三九一円」と四の(二)の金二五〇万円から六のとおり金二〇〇万円を差し引いた「金五〇万円」の合計である「金二四六万六、三九一円」に、四の(三)のとおりその一割に当る「金二四万六、六三九円」を加えた「計金二七一万三、〇三〇円」と「内弁護士費用を除いた分に対する本件事故発生の日からの遅延損害金」の支払いを求める限度で、その余の各原告につき、それぞれ、四の(一)の「金一九六万六、三九一円」に四の(三)のとおりその一割に当る「金一九万六、六三九円」を加えた「計金二一六万三、〇三〇円」と「内弁護士費用を除いた分に対する本件事故発生の日からの遅延損害金」の支払いを求める限度で、それぞれ理由があることとなる。

(二)  すなわち、原告幸子の本訴請求のうち、被告に対し、金二七一万三、〇三〇円と内金二四六万六、三九一円に対する昭和四四年七月二日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める部分は理由があり、その余の部分は理由がなく、原告池田美好および同池田寿彦の本訴各請求のうち、被告に対し、それぞれ、金二一六万三、〇三〇円と内金一九六万六、三九一円に対する昭和四四年七月二日から完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める部分は理由があり、その余の部分は理由がない。

よつて、右各理由ある部分を主文第一項あるいは第二項のとおりそれぞれ認容し、その余の各理由ない部分をそれぞれ主文第三項のとおり棄却したうえ、訴訟費用の負担につき、民事訴訟法第八九条、第九二条、第九三条を、仮執行の宣言につき同法第一九六条を、それぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 堀内信明)

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