大判例

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長崎家庭裁判所武生水支部 昭和29年(家)137号 審判

申立人 村山ツネ(仮名)

相手方 村山正雄(仮名) 他六名

主文

申立人と相手方等間に被相続人梅村新作の遺産全部について昭和三十四年二月二十二日迄その分割を禁ずる。

事実

申立人は被相続人村山新作の遺産を共同相続人に分割する審判を求めその申立の実状として次の通り陳述した。

申立人は被相続人新作の妻であつて相手方等はその直系卑属で共に共同相続人である、被相続人の遺産は別紙目録の通りで申立人が右遺産の分割について種々協議したが相手方の梅村正雄は被相続人から贈与を受けたと称して相手方由子と共謀して被相続人の印鑑を盜用し名換をしその所有権を主張する等、各自の主張が相容れず協議が調わないから分割の審判を求める。

相手方等は分割には異存はないが、相手方正雄は申立人主張の第一目録物件は被相続人が生前相手方正雄との間に贈与の話合ができ名換登記手続書に捺印し以て所有権を取得したのであるから遺産でない、亦相手方一政と相手方千代は何れも被相続人の子でないから相続権がないと述べた。

理由

当裁判所の調停委員会の調停の段階に於ては相続財産の範囲乃至内容を明確にすることが出来ず且合意も到底成立し得ない実状にあつたことは当裁判所に顕著である、而して審判の段階に於ても第一目録記載の物件は昭和二十九年二月○○日付にて被相続人より相手方正雄名義に名換登記が済されて被相続人の遺産に属しないことが登記簿謄本によつて明瞭であり、更に第二目録記載の物件も同様昭和二十八年七月○○に相手方太郎名義に名換登記が済されてあり、以上は民法第千三十条の適用は受けるが然し乍ら尚且第一目録記載の物件の相手方正雄への名換は申立人に於て之を否認して居り、更に相手方一政、及相手方千代の相続権の有無も未確定の儘の現状に於ては到底分割の判定に及ぶ限りでない仍てこれ等の事項の解決を見るまで、而してその期間は昭和三十四年二月二十二日迄を相当とするから主文の通り審判する。

(家事審判官 本田正臣)

別紙目録〈省略〉

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