大判例

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静岡家庭裁判所 昭和30年(家イ)6号 決定

申立人 倉林美子(仮名)

相手方 倉林一道(仮名)

主文

相手方はその所有にかかる別紙目録記載の不動産につき売買、贈与、抵当権設定、その他一切の処分をしてはならない。

相手方が本決定に違反したときは五千円以下の過料に処する。

(家事審判官 堀部勇二)

別紙〈省略〉

参照

事件の実情及び其の処分の内容

相手方倉林一道は申立人倉林美子と結婚した当時は○○局長、○○品等販売営業をしており、相当の資産を有して裕福な生活をしていた。しかしながら昭和二十五年頃より諸所を飮み歩いて乱費を重ね更に昭和二十八年十一月頃からは田上ゆりと関係を結び家庭をかえりみず多額の借財をするに至つた。その為め大部分の不動産は担保として抵当に入り現在完全に有する資産としては家屋一棟建坪六十三坪六合五勺の宅地九十坪五合五勺のみである。前記の如き相手方の不品行のため申立人は昭和二十九年四月相手方と別居するに至つたが相手方は情婦田上ゆりを家に引き入れて同棲生活をしており婚姻を継続することは到底不可能であるから離婚したい、離婚するに際し慰藉料として金五十万円を請求したいとの家事調停の申立があつた。この申立に対し相手方は借財が多く収入も少いので慰藉料を支払うことは困難であると主張し、前記不動産の名義を変更して慰藉料支払の償を免れる行為をする恐れがあると認められたので事件解決上必要な処分として左記の如き決定が為された。

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