大判例

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鳥取地方裁判所米子支部 昭和45年(ワ)168号 判決

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告は「被告等は連帯して原告に対し金四六万三、七五〇円及び内金二五万円に対する昭和四五年一〇月七日から完済に至るまで年六分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告等の連帯負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、その請求の原因として「一、原告は昭和三三年六月二六日訴外中国製鉄株式会社(以下破産会社という。)が破産宣告を受けた際破産管財人に選任され、現在に至つている者である。

二、訴外亡梶野清二郎は破産会社の株主であり、被告等はいずれも同人の相続人である。

三、破産会社は右清二郎に対し株金払込債権金二五万円及びこれに対する昭和三一年七月七日から昭和四五年一〇月六日までの遅延損害金二一万三、七五〇円合計金四六万三、七五〇円の債権を有している。

四、被告等は右清二郎が死亡した際、鳥取家庭裁判所米子支部に対し債務超過のため相続を放棄する旨申述し、相続放棄をなした。

被告等は被相続人である右清二郎の債務を支払い得る充分な資力を有し、同人が破産会社に対し債務を負担することを熟知しているにも拘らず相続放棄をなしたもので、相続放棄は右清二郎に対する債権者である破産会社を害する意思をもつてなしたもので詐害行為である。

五、よつて原告は本訴において被告等の右相続放棄の意思表示の取消並びに被告等に対し連帯して右清二郎の破産会社に対する債務金四六万三、七五〇円及び内金二五万円に対する昭和四五年一〇月七日から完済に至るまで年六分の割合による遅延損害金の支払を求める。

六、また被告等は充分資力を有しているにも拘らず相続を放棄し、無資力の老母梶野せきにのみ右清二郎の遺産を相続させたもので、かかる行為は信義誠実の原則に違反した相続放棄権の濫用として無効というべきである。

更に被告等の相続放棄は右清二郎の債務超過を理由としてなしたもので、強制執行を免れる目的をもつて財産を隠匿した不法行為であるから無効である。

よつて原告は被告等に対し連帯して右金員の支払を求める。」と述べ証拠(省略)

被告等訴訟代理人は、主文第一項同旨の判決を求め、答弁として「請求原因事実は認めるが、被告等のなした相続放棄が詐害行為に該ること、また権利の濫用ないし不法行為として無効であることは争う。」と述べ、甲号各証の成立はすべて認めた。

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